コンポステーラ会議(環境教育に関する国際専門家会議)の概要

(2001年1月25日更新版 池田満之記載)

★会議の概要報告

 以下の文章は、この会議の主会議(専門家会議)に、日本人としてはただ一人、アジア・太平洋地域の環境教育に関する専門家代表に選ばれて参加させて頂いた池田満之(岡山ユネスコ協会理事)による概要報告です。主会議の成果である提案書の最終草案の内容については、『「行動のための新しい提案書」の最終草案』のところをご覧下さい。

 2000年11月15〜24日(15〜17日は事前会議で、20〜24日が本会議)、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラにて、「環境教育に関する国際専門家会議」が、ユネスコとスペイン・ガリシア地方自治政府によって開催されました。この会議は、21世紀初頭の環境教育に関する「行動のための新しい提案書(ガイドライン)」を作成するために選ばれた専門家(33人)のみによる非公開会議(主会議)と、全世界から集まった国際環境NGOや専門家などによるオープン会議(大会)とが併行して開催されました。

会場前にて(池田満之)

 このうち主会議は、世界中の全地域を代表して招集された29カ国33名の環境教育に関する専門家の代表による会議で、専門家により20世紀の環境問題を振り返り、21世紀に向けた環境教育のあり方を討議するのが目的でした。ここでは、「行動のための新しい提案」というタイトルが付けられ、具体的なガイドラインづくりが行われました。特に、「グローバリゼーション」「生物多様性」「景勝地の保護と持続可能な観光産業」「飢餓と貧困の克服」「平和的な共存」の5つの主要テーマについて議論されました。

 この主会議には、アジア・太平洋地域の専門家代表(5人枠)として、日本からは唯一、私(池田満之)が招聘されました。主会議に出席した私は、「平和的な共存」に関する作業グループに属し、その草案づくりを担当しました。私はこれまでの体験・活動から、「自ら学び考え行動する人を育成するために必要な科学的基礎知識、それに裏付けられた体験・活動、成果の共有」、「学校と地域社会との連携、ネットワークの構築」、「学習者が主体で参加型であること」、「教育者のトレーニングシステムの整備並びにプロのコーディネーター育成の必要性」といった事項を主張・提案しました(私がこれまで提案してきた「環境サポートセンター構想」(世界的な情報の共有化、ユネスコブランドの信頼性の高い情報ソースの整備、国際的視野に立った教材等の共同開発、教育指導者のトレーニングサポート、等々を可能とするネットワークシステムの構築と拠点センターの整備)につながる内容です)。

 この主会議で作成され、会議最終日に発表されたドラフト(「行動のための新しい提案書」の最終草案)は、この主会議のために選ばれた33人の専門家により、2001年2月28日まで引き続き検討されて仕上げられ、4月にユネスコから各国政府及び関係機関等に配布(インターネット上でも公開)されます。これは、全世界で各国における21世紀初頭の環境教育のガイドラインとして役立てられるほか、2002年に南アフリカ共和国で開催される予定の地球サミット「リオ+10」に向けての各国の政策立案のためのガイドラインとしても用いられることが、ユネスコにより勧告、奨励されます。

 なお、この会議の総括コーディネーターを担当したユネスコ本部のロペス氏は、EPD(アジェンダ21の第36章のフォローアップを担当しているユネスコのセクション)の責任者で、2年後の「リオ+10」(地球サミットから10年後の振り返り)を控え、地球環境と人類のおかれた現状の厳しさから、「理屈を語っているだけでは済まない、私たちは待ったなしで行動を起こさなければならないところに立たされている」という強い危機感と決意をもって、この会議に臨んでいました。このため、この主会議では、行動の根拠となる理念、精神的規範(倫理)を確立し、目的・目標を明確にし、環境教育を通して、如何に正しい知識を持ち、自ら行動する人を世界中で育てていくかに大きな視点の一つがおかけ、そのためのガイドラインやツールになる情報の検討がなされました。

 この主会議では、「これまでの環境教育は、気づきや体験を重視してきているが、何が良いか悪いかの正しい判断能力を身につけさせるという点で不十分ではなかったか」といった指摘があり、基本的な姿勢として、「私たちが勧める環境教育は、学習者が論理的な考え方を身につけることができること、学習者に建設的な考え方を与えるものであること、そして学習者が知識を得ることで正しいことができるように導かれるものであることが求められる」という提言もありました。

主会議(非公開会議)の様子

 また、一般向けのオープン会議(大会)は、主会議とは異なり、個々の活動報告や提案をもとにした意見交換と討論の場であり、日本からは岡山ユネスコ協会が国際環境NGOとして招待され、橋本徹泱事務局長が会を代表して発表(会の活動紹介と「環境サポートセンター構想」の提案)を行いました。このオープン会議には、招待参加した池田、橋本のほかに、岡山ユネスコ協会の会員が4人(佐橋 謙、片山主計、廣田陽子、難波芳子)と、池田のアシスタントとして環境アセスメントセンター西日本事業部のスタッフ(臼井隆子)が会社からの派遣という形で参加しました。全世界から600名以上の人たちが参加したこのオープン会議への日本からの参加は、以上の岡山からの7名のみでしたが、全体的にアジアからの参加者は少なかったため、かなり目立った存在だったようです。このため、オープン会議では、会場から「日本から大勢参加されているので、どなたでもいいから、日本が捕鯨を続けていることや、日本の商社が海外で森林破壊をしていることなどをどう考えているのか答えてほしい」といった質問も出されました。全世界的なインターネットの普及という流れもあり、国際的なネットワークの構築、連携活動への呼びかけ(共同による教材開発等)がいくつも聞かれました。

オープン会議(大会)の様子

★会議のホームページアドレス

  この会議に関する詳細情報は、この会議の実行委員会が開設しています下記のホームページで入手することができます。

  《HPアドレス》 http://www.siam-cma.org/compostela-unesco-iem

★お願い

 主会議にアジア・太平洋地域の専門家代表に選ばれて参加した池田満之です。私は、21世紀初頭の環境教育に関する「行動のための新しい提案書(ガイドライン)」を作成するために選ばれた専門家の一人として、2001年2月28日まで、提案書の最終草案を検討し、提案書を仕上げていく作業をしなければなりません。この提案書(ガイドライン)は、上述の通り、日本を含めた世界の国々で共通のガイドラインとして活用されるべく、国連の環境教育担当機関であるユネスコが各国に提供する(勧告する)もとになるものです。

 このため、私はアジア・太平洋地域の代表に相応しい働きができるよう、日本からは唯一選ばれた専門家として恥じない働きができるよう、より多くの皆さんの声をお聞きしてこの提案書の仕上げ作業に携わっていきたいと考えています。11月24日に発表した提案書の最終草案は『「行動のための新しい提案書」の最終草案』のところに掲載しておきましたので、ご指摘、ご意見、アドバイスなど頂ける方は、池田満之へメールを頂けますようお願いいたします(メールアドレス:ikd@mxt.mesh.ne.jp)。

 なお、作業の都合上、1月末をめどに修正提案第一案を作成して出したいと思いますので、最終草案に対するご指摘、ご意見、アドバイスなどは、2001年1月末までにメールして頂けますと助かります。また、修正提案最終案は2月下旬に出したいと思いますので、2月中旬までにご意見等を頂けると、修正提案の作成において役立てることができます。なお、2月下旬以降も、お気づきの点やご指摘、ご意見、アドバイスなどを随時送って頂ければ幸いです。

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