第9回おかやま国際貢献NGOサミット
「2002国際環境ネットワーク会議in玉野」報告書

日 時: 2002年(平成14年)9月28日(土)13時〜18時
場 所: 玉野レクレセンター(玉野市玉2-3-1)
テーマ: 持続可能な未来のための環境学習
   −ヨハネスブルグ・サミットを受けて−
主 催: 国際貢献トピア岡山構想を推進する会(OTIC) 環境ネットワーク委員会
GEST(地球学校を玉野へ誘致する会)
後 援: 玉野市、玉野市教育委員会、
ヨハネスブルグ・サミット提言フォーラム
主 幹: 岡山ユネスコ協会(E-mail:o-unesco@ddn.ne.jp
〒700-0026 岡山市奉還町3-1-28
TEL&FAX(086)255-0651

《タイムテーブル》
12:45 記念写真撮影(会場前にて)
13:07 開会式 開会宣言・司会進行:議長(主催委員会委員長) 池田満之氏
        開会挨拶:GEST会長 加藤浩久氏
        歓迎の言葉:玉野市助役 迫田志之氏
        開催趣旨及び進行予定の説明:議長 池田満之氏
     来賓及び海外ゲスト等の紹介:議長 池田満之氏
13:22 来賓・ゲスト代表挨拶及びサミット報告:文部科学省国際統括官 永野 博氏
    ヨハネスブルグ・サミット報告及び提案:サミット参加者代表 池田満之氏
13:47 基調講演「持続可能な開発のための教育」
        ユネスコ・パリ本部環境教育担当 ミーメン・レゲッセ氏
    海外の専門家・活動家からの提言
    (1)韓国国立教育大学環境教育学部教授 チョイ・ドンヒュン氏
    (2)スイス交通と環境協会交通問題部長 アドリアン・シュミット氏
    (3)タイ・ソングクラ大学環境教育プログラム担当
        ジャワニット・キッティントンクール氏
15:05 高校における環境学習の取組・課題・提案
    (1)岡山県立玉野高等学校国際科 中島珠恵氏
    (2)玉野市立玉野商業高等学校 大西 亮氏
15:20 質疑応答
15:35 休憩及び移動
15:45 4つのグループに分かれて討議(ワークショップ)
17:35 グループ討議結果の発表
17:55 グループ討議結果の総括:岡山大学教授 青山 勳氏
    今後に向けての会議総括:議長 池田満之氏
    海外ゲストからのメッセージ
閉会挨拶:トピア会長 沖垣 達氏(18:12 閉会)



開会挨拶 GEST(地球学校を玉野へ誘致する会)会長 加藤浩久

 本日、国際環境ネットワーク会議を開催するに当たり、文部科学省国際統括官の永野様をはじめ、ユネスコ・パリ本部のミーメン・レゲッセ氏と共に、各国より専門のゲストをお迎えすることができまして、主催者一同心より御礼申し上げます。
また、この場をお借りし、主幹をいただいております岡山ユネスコ協会の皆様にも重ねて感謝申し上げます。
 さて、私どもGESTは平成11年より環境を学習する施設を、是非この風光明媚ですばらしい環境に恵まれた玉野に創ろうと活動をいたしてまいりました。
 また、本会議のように、さまざまな角度から環境を見つめ、ハードだけでなくソフト的な面も充実させるべく、玉野市の多大なご協力の下、一歩一歩進めております。
 本年度はこの会議と11月に予定しております、小中学生の環境学習発表会「大林宏と環境学習!たまの子供環境サミット」(平成14年11月23日開催予定)をメインとして、5月には私と谷口康則前会長および梶原聖一副会長のGEST代表3名が玉野市より補助金を頂戴し、ドイツ・フライブルグ市へ環境学習の研修に行ってまいりました(研修報告を http://www.tamano.or.jp/usr/chum/gest/gr2002/ger01.htmに掲載しています)。
 そこで感じましたことは、やはり「持続可能な未来」のためには環境教育が必要不可欠であり、また、環境のことを教えていくリーダーの養成が急務ではないかと思っており、民間の団体の小さな輪からこつこつと活動を行うことによって、自治体も国も世界も未来が開けていくことを確信いたしたところであります。
 先般開催されましたヨハネスブルグ・サミットも成功裏に終わったと聞いておりますが、より具体的なお話を本日拝聴し、目標への礎とさせていただきたいと存じます。
 また、各国の環境教育・環境学習の事例をお聞きし、地元の高校生を中心に意見の交換をさせていただき「今何ができるのか」「今何をしなければならないのか」をご指導いただければ幸いかと存じます。
 本日のこの会議が未来への第一歩となりますことを願い、充実した一日となりますようご参加の皆様のご協力をお願いいたしますと共に、最後になりましたが、お越しいただきました皆様の益々のご健勝を祈念申しあげ、今後のGESTへのご理解とご支援をお願い申しあげまして開会の挨拶とさせていただきます。

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GEST地球学校を玉野へ誘致する会
http://www.tamano.or.jp/usr/chum/gest/

GEST(Global Environment Society in Tamano)とは、「地球学校を玉野へ誘致する会」の通称です。ジェストと発音してください。GESTでは平成11年より、玉野を地球学校設置に相応しい「まち」にするために活動しています。また、活動の中心となる(社)玉野青年会議所は、玉野市だけでなく、灘崎町、直島町をもエリアとして活動しており、GESTとしても、近隣の地域の環境問題にも関心を持って活動しています。過去の活動実績は上記ホームページをご覧ください。


歓迎の言葉  玉野市長 山根敬則

皆様こんにちは。
 本日は,「国際貢献トピア岡山構想を推進する会」および「GEST地球学校を玉野へ誘致する会」が主催いたします「国際環境ネットワーク会議」が玉野市において開催されますことに対し厚くお礼を申し上げます。
 また,本日は国連ユネスコ・パリ本部環境教育担当の「ミーメン・レゲッセ氏」をはじめ、海外の専門家の方々ならびに文部科学省から永野国際統括官のご臨席を賜り,玉野市民を代表して心から歓迎申し上げます。
 皆さんもご承知のとおり,地球環境問題は今や世界中で深刻な問題となっており,今日の近代文明と消費生活システムは,「地球の温暖化」,「オゾン層の破壊」,「酸性雨の発生」など地球環境に大きな影響をもたらしております。
このため,本市といたしましては,環境にやさしい街づくりを目指し,率先して地球環境保全のための環境都市宣言を行うとともに,平成12年12月22日には,県下自治体として最初に「ISO 14001」の認証を取得し,「環境施策への積極的配慮」,「資源エネルギーの節減」,「廃棄物の削減」等,職員が一丸となって進めており,さらに市民の間にもこの輪を広げていくよう取り組みを行っております。
本日は,先頃南アフリカで開催されました「ヨハネスブルグ・サミット」の報告や,将来を担う市内の高校生も参加して,世界的視野に立った環境学習や地域での日常の取り組みのあり方について議論がなされることは,誠に意義深く,近い将来において持続可能な未来が実現するものと,大いに期待いたすものでございます。
 最後になりましたが,本日の開催,運営にご尽力いただきました「国際貢献トピア岡山構想を推進する会」ならびに「GEST地球学校を玉野へ誘致する会」の,今後ますますのご活躍と本日ご出席いただきました皆様のご健勝とご多幸を祈念いたしまして,私の挨拶とさせていただきます。
本日は,誠にありがとうございました。

開催趣旨

議長(OTIC環境ネットワーク委員会委員長)池田満之
(岡山ユネスコ協会理事・GEST理事)

本年8月26日〜9月4日、南アフリカのヨハネスブルグで、環境と開発に関する世界サミット(ヨハネスブルグ・サミット)が開催されました。このサミットでは、国連の教育に関する専門機関であるユネスコ(国連教育科学文化機関)が主催して、「持続可能な未来のための教育」についての話し合いがなされました。そこで、今回の国際環境ネットワーク会議は、このサミット参加者をはじめ、ユネスコ・パリ本部教育部環境教育担当者や国内外の環境教育専門家などと共に、持続可能な未来を可能にする環境学習とはどういうものか、私たちは何をなすべきかを話し合いたいと思います。

海外ゲスト紹介

Miemen Legesse (ミーメン・レゲッセ)
<組織と現在の仕事>
ユネスコ・パリ本部 持続可能な開発のための教育(ESD)に関する首席プログラムスペシャリスト
<経 歴>
1969 - 1971 Managent Training Institute Ethiopia
1972 - 1977 UNESCO Resource Management Dept.
1977 - 1981 WORLD BANK / WHO - Settlement Project in WEST AFRICA - Programme Office
1981 - 1994 UNESCO Population and Development Specialist
1995 - 2002 Environment and Population of Development, Senior Programme Specialist

Jeong Soo Young (ジュオン・スーヤン)
<組織と現在の仕事> 韓国ユネスコ協会連盟 事務局長

Choi Don Hyung (チョイ・ドンヒュン)
<組織と現在の仕事> 韓国国立教育大学環境教育学部 教授
<経 歴> 韓国教育開発大学特別研究員(学校支援中央研究所役員)

Jawanit Kittitornkool (ジャワニット・キッティントンクール)
<組織と現在の仕事>
プリンス・オブ・ソングクラ大学(タイ)環境管理学部 環境教育プログラム責任者
環境社会科学部と環境教育プログラムでの講義
<経 歴> 環境問題を社会的、経済的、文化的な側面から4年間教え、環境教育を2年間行った。
タイの開発と環境問題に関するキャンペーンをNGOと協力して行った。
環境教育に関する研究指揮。
環境管理学部の環境教育プログラム修士コース担当。
先の仕事により、訓練の為の経験と技術がある。

Adrian Schmid (アドリアン・シュミット)
<組織と現在の仕事> VCS スイス 交通と環境協会 交通問題部長
<経 歴> 国民投票研究センター(アムステルダム) 理事財政部長
ユーロトピア(欧州直接民主主義運動) 創立者
2000年まで ルツェルン市議会議員
スイスみどりの党副代表

来賓・ゲスト代表挨拶 文部科学省国際統括官 永野 博氏

 私は政府代表団のメンバーとしてヨハネスブルグ・サミットに出席しましたので、その立場からサミットの報告を致します。今回のサミットは、リオの地球サミットからの10年を振り返り、持続可能な社会をどう作るかを議論しました。
 日本政府は小泉構想を発表し、「人づくり」の教育が重要であるとアピールしました。「国連・持続可能な開発のための教育の10年」の制定を目指すという日本の提案は、実施文章の中に入りました。これは、日本のNGOの連合体であるヨハネスブルグ・サミット提言フォーラムからの発案でした。今後、2003年か2004年の国連総会で決議しないといけません。
 今回のサミットについては、私は成果があったと思います。マスコミ報道では、再生可能エネルギーの数値目標が盛り込まれなかったことなどから、サミットに対して否定的な報道もみられましたが、それは報道の方に偏りがあると思います。今回のサミットでは、飢えに苦しんでいる人を世界で半分にしようというなど、具体的なことが決まりました。世界政治の上でも画期的なことだと思います。リオから10年、比較的みんな冷静に考える余裕ができたのではないでしょうか。
 サミットでユネスコは、「持続可能な未来のための教育」などのイベントを行いました。現在のユネスコのトップは日本人の松浦晃一郎さんです。この教育イベントには、エクアドルやモンゴルの大統領なども出席されました。
 このサミットを受けて、文部科学省では、今後、環境教育を充実させていこうと考えています。また、現職の学校の先生方が、海外青年協力隊などにもっと行きやすいようにしようと考えています。海外青年協力隊は39歳までですが、40歳以上の方にも同様に海外協力活動に参加しやすいようにしようと考えています。内なる国際化を進めようとしています。
 今回のサミットでは、大量生産・大量消費の構造を見直す合意がなされましたが、一人ひとりの行動の積み重ねが影響することですから、本日のような自分たちの行動を考える会議がもたれることを大変うれしく思います。

ヨハネスブルグサミット報告及び提案 サミット参加者代表 池田満之

 ヨハネスブルグ・サミットでは、日本の小泉首相が「人づくり」の重要性を訴えられ、日本は教育支援に力を入れていくと表明されました。なかでも日本は、「国連・持続可能な開発のための教育の10年」の制定をNGOと共に提案しました。これは、教育・学習が今回のサミットのテーマである「持続可能な開発」の基盤になると考えているからです。貧困の撲滅、紛争の解消、各国間・各階層間の消費格差の是正、人権・参加型政治・合法的な行政、女性のエンパワーメント、男女平等など、「持続可能な開発」を成り立たせるためには、教育による人づくり、社会づくりが急務であるという認識に立ってのことです。
今回のヨハネスブルグ・サミットでその教育問題を幅広く取り上げたのが、ユネスコ主催の「持続可能な未来のための教育」の会合でした。ここでも、日本から提案のあった「教育の10年」を視野に入れた話し合いがなされましたが、岡山からは「持続可能な都市づくり」という題で、市民、事業者、行政が連携して自主的な環境活動を社会全体で促進していく環境パートナーシップ事業を紹介し、その参加の輪をまず世界人口の5%、3億1千万人まで広めようという提案をしてきました。また、合わせてそうした社会づくりをサポートする仕組み「環境サポートセンター構想」についても提案してきました。本日行っているこの国際環境ネットワーク会議も、その実践活動の一環といえるものです。
 ヨハネスブルグ・サミットでのユネスコの教育部局が行った上記の会合のサブタイトルに「行動、参加(約束、責任)、パートナーシップ(連携)」とありました。まさにこれが今後の重要なキーワードであると強く感じました。教育を促進しなければなりませんが、それは単に知識を身につけるというものではなく、行動や参加、連携につながるものが必要とされているということです。本日の会議も、単なる話し合いに終わることなく、あらたなる行動につながるように、参加された皆さんと共につくりあげていきたいと思います。

基調講演「持続可能な開発のための教育」

ユネスコ・パリ本部
持続可能な開発のための教育(ESD)に関する首席プログラムスペシャリスト
ミーメン・レゲッセ

 ユネスコの事務局長に代わりまして、本会議に出席できますことを光栄に思います。また、この場をお借りして、岡山ユネスコ協会の三宅正勝会長をはじめ、関係者の方々にユネスコをお招き頂いたことに対してお礼を申し上げたいと思います。このサミットにより日本の非政府組織と政府機関、企業が益々関係を深めることと信じております。
 今回、他の任務のために出席できなかったユネスコの事務局長である松浦晃一郎氏は、2002年8月28日から9月4日までヨハネスブルグで開催された持続可能な開発に関する世界サミット(WSSD:ヨハネスブルグ・サミット)の準備期間中、また、その開催中に持続可能な開発について様々な演説を行いました。その中でしばしばユネスコの今後の指標についても述べられましたが、本日はこの場をお借りしてその要旨を話したいと思います。
 松浦氏は、まずユネスコの戦略目的を強め、様々な課題の相互関係に焦点をあてた話し合いをしていく必要があるということを強調されました。NGO団体と地域社会の交流を活発化させることはその土台になります。そのためには、ヨハネスブルグ・サミットの全体会議の決議文「(持続可能な開発に関する)ヨハネスブルグ宣言」にあったように、NGO団体と手を取り合って密接に協力していくことが大切です。また、ヨハネスブルグ・サミットの「(持続可能な開発に関する)実施計画」に沿って、関連団体の連帯を拡大していくことも非常に重要です(全53ページ、コピー、配布可能。このほかに、サミット参加国代表者の政治演説もコピー、配布可能)。
 ユネスコは持続可能な開発というテーマに関して、サミットのために下記の展示会、同時イベント、ワークショップ、円卓会議、他のパートナーとの積極的な活動を含んだ38の重要なイベントを準備してきました。
・再生可能なエネルギー
・人間と地球生物プログラム
・平和のための水、新鮮な水の国際年
・ICSU、Ocean People, Stewardshipの環境問題の科学委員会との連携で海洋2020の進行
・エコロジー知識―大規模資源開発の環境・社会・文化への影響の審査
・持続可能な未来のための教育― 活動、参加、協力
・文化相違、生物学的相違、持続型開発
・持続型開発のための伝統と科学知識の連結
・生命維持装置の百科事典

 また、ユネスコは芸術分野の現状に関して、1992年から2002年までのリオデジャネイロ会議から学んだことをもとに報告書(45ページ)を作成し、このことについては、ヨハネスブルグ・サミットでも発表致しました。資料も入手可能です。
 持続型プログラム教育については、ユネスコのマルティメディアのCD―ROMも作成され、すでに南アフリカの政府が使用しています。CD―ROMは英語で、研修を目的として作られたものです。いくつかのアフリカ諸国、中国ではすでに使用されています。 2003年には、少なくとも他の国連公用語には翻訳される予定であり、各地域に対応した内容でかつユネスコ加盟国の必要性に合ったものに仕上げていく予定です。もし、日本のNGOからも活発にサポートして頂ければ、長年の実績をもとに多くの国で技術的、実質的な貢献をして頂けるのではと信じています。持続可能な開発の教育は、ユネスコが信念をもって取り組んでいる主要課題であり、また、日本政府からも今後10年間(2005年−2015年)実施していくとの提案が打ち出されました。 その中でもユネスコは教育、科学、文化、コミュニケーション、情報の分野で重要な役割を担っていきます。
 ヨハネスブルグ宣言に従い、また、持続可能な開発の教育という枠の中で、ユネスコはすべての人への教育のためのプログラムとユネスコの関係について述べた2ページの報告書に基づき、新しい視野と展望のもと世界中のすべての人々への教育を実現するために、更なる努力をしていきます。
 全ての人へ教育をというプログラムにおける6つの主要なゴールは、持続可能な開発のための教育に直接結びついており、以下のようにまとめられます。
・幼年期の総合的な改善とケアの拡大
・2015年までに、全ての子供、特に女児が質の高い初等義務教育を無償で受けられるよう保障
・全ての若者と大人が適切な教育と生活技術プログラムなど必要な教育を受けられるよう保障
・大人の識字率を2015年までに50%改善
・2005年までに初等、中等教育において性別による不平等を無くし、2015年までに性差別の根絶を目指す。特に、基礎教育においては女児についても公平に受けることができるように保障。
・教育のすべての面における改善と、識字、算数、また基本的な生活技術の改善

 最後に、ユネスコは国連事務局の中での役割を再築するために動き出しました。そして、NGO、国際社会、一般企業、地方自治体、宗教家、世論形成者、マスコミと連携して、まだ解決されていない人権保護、不平等の削減、貧困削減、環境保全・保護といった観点から持続可能な開発教育を推進し、世界が一体となって取り組むことを目指しています。
(和訳:谷口典子氏、一部手直し:池田満之氏)



EDUCATION FOR SUSTAINABLE DEVELOPMENT
(ユネスコプレス 2002年8月27日 仮訳:佐橋 謙)

「持続可能な開発のための教育」
 持続可能な開発は、複雑な状況が増加しつつある局面に直面している今日の社会を取り扱うのに、正しい選択ができるような能力のある組織された市民が必要だから、この必要性は学校でだけではなく、生涯を通じて必要なことである、とユネスコ事務局長松浦晃一郎氏は述べている。
 ユネスコは、このような教育の見方とその切迫した持続可能な開発への重要性を、ヨハネスブルグでの持続可能な開発に関する世界サミットで議論の焦点に当てたい。このサミットと平行に、南アフリカ教育省がユネスコ、ユネスコ連絡委員会と非政府組織と共に「持続可能な未来のための教育 −行動、約束とパートナーシップ−」と名付けた特別なイベントを計画している。このシンポジウムは9月2日14時に始まり、9月3日中行われる(於サマプレース)。ユネスコはこの機会に、他の公的、私的あるいは複数の政府間にまたがる人々の間でのパートナーシッププロジェクトをスタートさせ、2005年に開始される予定の日本から国連総会に提案される「持続可能な開発に向けての教育の10年」を説明する。
 参加者は、持続可能な開発に何かの活動をしようとしている人々で、市民社会、私企業、他の国連機関、健康、エネルギー、水、農業、教育、協同組合、通信関係その他の省の代表者と、ラテンアメリカ、アフリカ、アジア諸国の国家主席も含まれる。
 会期中にユネスコは、持続可能な未来のための教育と学習のためのCD-ROMを発表する。これはマルティメディア型教師教育プログラムである。このプログラムはユネスコのインタネットサイトhttp://www.unesco.org/education/tlsf/ でも利用できる。これは教員の皆さんに、無料で遠隔地からでもアクセスでき、全部で100時間の訓練を25のモジュールに分けて見ることができ、広範囲の教育資料、ゲーム、新聞、議論の課題などが提供されている。
 ユネスコのチームは二年掛かりでこのCDを作った。そして、世界中の300人の教育のプロによって評価を受け、改良が重ねられた。利用者は、マルティメディアが彼等の特別なニーズに沿った形で、どのように教師教育に役立つかを知ることができる。ユネスコはこのCDを英語で作ったが、他のどの言語に変換するとしてもそれを奨励するし、技術的支援も用意する積もりだ。SADC(Southern African Development Community)のメンバーである南アフリカの11カ国はそれによって、自分の地域に適したバージョンを開発した。
 このシンポジウムでは、すべての利害関係者の間でのパートナーシップの必要性が強調されるだろう。ユネスコのビナヤガム・チナパ氏によれば、1992年のリオでの地球サミット、サミット期間中に作成されたが誰もそれに従わず、参加者によって署名されたにもかかわらず誰もそれを守っていないアジェンダ21のときには存在しなかった、前向きで責任ある姿勢が見られる。ヨハネスブルグでは多くの参加者によってパートナーシップ合意に署名されなければならない。それぞれの活動計画は密接に関係を保ちながら遂行されねばならない。それは、目標、財政、実行方法、なされるべき過程を説明しているからである。
 ユネスコは、持続可能な開発の枠組みの教育の中で三つのパートナーシップ計画を提出する。第一は、ユネスコと国連食糧農業機構(FAO)とで作られた遠隔地の人々のための教育プログラムである。貧困が地方の方で蔓延する一つの理由は、地方の現実が全体として貧困から脱出するのに適当でないのと同様、教育の恩恵にあずかる方法がないか、または困難であるからであるとチナパ氏は言っている。貧困は人々を都会に移動させ、街を混雑させる。このことがユネスコとFAOとが、彼等に生産者(漁、家畜飼育、食糧生産管理、農業産品の販売など)としての潜在能力を持って貰うような方向で、地方の教育システムを再考することになったのだ。そうすることによって、地方の居住者は彼等自身の生活条件を改善していくための知識を習得し、強化していくことができる。(以降、省略。)

海外の専門家・活動家からの提言

(1) 韓国:チョイ・ドンヒュン氏
 韓国における環境教育の現状についてお話します。韓国の教育制度は、日本と非常に似ている6334制です。教育カリュキュラムは、日本における教育基本法のような教育法でカリキュラムが決められており、それぞれの学校でカリュキュラムが実施されます。
 小学校では、環境という教科はありません。さまざまな教科に盛り込まれています。例えば、理科、社会、道徳などの教科に環境問題が盛り込まれています。中学、高校では、環境が選択教科ではありますが、教科に盛り込まれています。
 環境庁の取り組みとして、環境教育に関する名誉校を指定しています。環境保護に対する態度を養おうということです。名誉校では、学校内のカリュキュラムでも課外活動においても、環境保護を重視するような活動を行っています。国が中心になって、学生の環境のための発明コンテストや環境の作文のコンテストなども行っています。
 学校の先生に対するプログラムもたくさんあります。環境に関しての勉強をする会、先生がたの間でも、環境についての研修会、教材の開発・普及、キャンプ、課外活動なども、環境教育に関して行っています。余剰人員の先生方に対しても、環境教育に対する教育が60時間奨励されています。
 環境教育が成功しているさまざまな例があります。さまざまな取り組みを評価していこうという取り組みもあります。国際研究機関に関する評価もあります。環境の保護活動に対する態度を養えるようなプログラム、ホタルの保護活動、グリーンマインド・グリーンスクールのような、自然を愛するような心を育むような課外活動を評価しようというようなデータもあります。
 持続可能な開発とは何かということですが、さまざまな定義があります。WSSDの定義を紹介します。現在のニーズを満たす、将来のニーズを満たすために妥協することなく現在のニーズを満たすことが、これがWSSDが提唱している持続可能性です。
 持続可能な開発の4つの重要なコンポーネントがあります。社会的なもの、経済的なもの、生態的なものそれぞれが相互に関わり合っているような状態あ持続可能ということです。
教育とは、未来のための力であると書いてありますが、この考え方に非常に共感します。次の世代の人たちは考えてください。この世代は将来の環境を担っていく核となるような世代です。次の世代は、明日と今日を繋げていく橋渡しになる役割を担わなければなりません。この橋というのは、強固で長持ちでなければなりません。この橋は、まさに環境のことです。現在と明日の社会を引き継いでいく人たちとの橋渡しをする役割です。
 中等教育において、環境教育をどのようにやっていくべきかお話します。まず、地元にあっている教員にあっているような形のカリュキュラムを作っていかなければなりません。それから、世界の問題に広げていくべきだと思っています。教授法については、野外に出ていろいろな調査をするような調査発表であるとか、民主的な市民のため、価値、態度、人間の教育を育んでいくような学習的な教科の選択を作っていかなければならないと思っています。
 先生方においても、科学や理科の先生だけではなくて、すべての先生が環境教育に意識を高めていくような研修プログラムを作っていかなければならないと思います。研修プログラムも野外活動を中心としたようなプログラムを作らないといけないと思っています。
 このように環境教育というものは、野外活動を中心としたものでなければなりません。そして、環境を愛するような心を育んでいくような形で行われなければいけないと思います。

(2) スイス:アドリアン・シュミット氏
 ヨーロッパ全体で問題になっている交通と環境の問題は、二酸化炭素の問題です。このような問題を解決するためにさまざまな非政府組織が必要になっています。我々が目標としているゴールは、環境が許容できる範囲内で、流動性、運輸、交通の持続的な発展を促すことです。
また、様々な象徴的な活動も実施しています。TRE(Transporter and Environment)は私たちのロゴです。TREはヨーロッパ全体の協会ですが、スイスもその一員です。ここで働いている人は、専門家からパートタイマーまで含めて約100名です。
この協会の活動の基となる原理原則は以下の通りです。
・ 自然と文化的価値を守っていく。
・ 天然資源・エネルギー・消費の最小化、スペースの最適利用を促す。
・ 気候、天気を保護していく。
・ 騒音、振動、公害からの環境に対する影響を最小限にしていく。
・ 思慮のない無思慮の交通を避けていく。
 スイスは、ヨーロッパの中央にあります。ということは、ヨーロッパでさまざまな交通・移動があった場合に、スイスを通っていくことになります。スイスは、ヨーロッパの交通の要所になります。それゆえに、スイスでの交通・環境教育を考えた場合は、ヨーロッパ全体のことを考えざるをえません。現在のヨーロッパでは、TREのメンバーが41団体あり、その1つが私の所属する団体です。
現在ヨーロッパでは、共通の市場(EU)が出来上がっています。この市場の中においては、人・物が自由に移動することが出来ます。この市場のために、スイスを通っての南北の交通が非常に盛んに行われています。しかし、近い将来この他の国もEUのメンバーに加わることが予想されているので、南北の交通量だけでなく、東西の交通量もさらに増えることが予想されます。

(3)タイ:ジャワニット・キッティントンクール氏
 タイは、韓国やスイスとは状況が違います。タイの環境教育についてお話します。タイの抱えている環境問題は、主にタイの政府の開発政策に端を発しています。タイの政府が開発政策を実施したことによって起こっている環境問題が多いのです。
過去30年というものは、農村地域の人々、貧しい人々というのは、政府の経済を重視した(経済成長を重視した)政策が実施されたことによって苦しんでいます。このような貧しい人々のために、中流階級の人達やNGOといった人たちが中心となって、環境政策を少し修正するような活動を展開するための環境ネットワークを作ってきました。
しかしながら、一般のタイ市民は、このような自分たちがおくっている消費中心のライフスタイルが環境に具体的にどのような形で影響を与えるか意識していませんでした。確かに環境教育は、この10年の間に学校のカリュキュラムで取り組まれてきました。しかしながら、実際の生活において人々は、自分たちの生活がどのように環境に関わっているか分かっていません。
そこで、持続可能な未来を考える環境教育という面では、タイの国民は消費中心のライフスタイルを少し変えていかなければならないことをまず認識していかなければなりません。そして、我々の抱えている問題、環境問題は、社会が無秩序に開発してきた結果であることを認識していかなければなりません。また、環境問題は非常に複雑な問題であるということも認識しなければなりません。貧しい人々のことも考えていかなければなりません。
日本の若い人達にも自分たちの生活様式という点から環境問題を考えてもらいたいです。そして、世界にいる皆さんと同じ世代の人々のことも考えてあげてほしいと思います。

高校における環境学習の取組・課題・提案

(1)岡山県立玉野高等学校国際科 発表者:中島珠恵
 私は玉野高等学校国際科2年の中島珠恵です。今日はこの場を借りて、玉野高校国際科での環境学習について報告したいと思います。
 玉野高校の国際科は今年の春4期生を迎えた新しい学科です。広い視野と豊かな国際感覚を養う。国際社会において主体的に行動できる態度を養う。自分の考えや意見を表現できるさまざまなコミュニケーション能力を養う。以上3つを基本目標にさまざまな専門的な学習を行っています。
 1年生の時の『国際社会と人間』という授業は、県内でもこの玉野高校にしかないものです。班で討議をしたり、外国人の留学生の方々と交流したり、大学の先生など外部の講師の方をお招きしてアクティビティを含む授業をしていただいたりと非常に楽しいものでした。この授業を通じて、私たちは異文化を体験し、コミュニケーション能力を養うなど大切なことを学びました。
 2学期にはディベート学習を行い、環境問題をテーマとして扱いました。・日本の生活から割り箸を廃止すべきである ・地球環境を守るために今の生活水準を下げるべきである の2つを論題とし、肯定・否定のそれぞれの立場から立論・尋問・最終弁論を行い、クラス代表による決勝大会まで行いました。2クラス合同のディベート決勝大会は白熱した議論となり大いに盛り上がりした。この授業を通じ、立論能力、発表能力などディベートの力を高めると同時に、それぞれの立場で環境問題を真剣にとらえ、今まで気にもとめなかったことにも気づくようになりました。テレビのニュースなどで報道されている国際的な環境問題にも関心を持つようになりました。私たちはこの1年生の時の『国際社会と人間』の授業で環境問題に関わるきっかけを与えられたように思います。
 2年生になった私たちは今『国際社会・』という授業を学んでいます。1年生の『国際社会と人間』に比べ内容が遙かに高度となり、悪戦苦闘の連続です。年度の初めの「人間存在を考える」という単元の最初に環境問題を考える学習を行いました。
・「人間に害を及ぼすものは使わなければよい」という考え方は是か非か
・“リサイクル”そのものに問題はないか 
・現在行われているものの他にリサイクルできるものはないか
 以上の3つのいずれかについて班ごとに話し合いを行い、班としての意見をまとめ発表しあいました。その中でリサイクルの現状やその問題点について多くのことを学び、その理解を深めました。つづいて、環境保護活動について各方面でいわれている批判を取り上げ、その再批判を試みました。その中で、私たちは現在の日本ではリサイクルを中心とした環境保護活動が十分根付いておらず、私たちの更なる環境保護への努力が求められることを痛感しました。
 まず環境に対する意識を高めることが必要です。「私一人が、僕一人がやったって・・・・」とか、『リサイクルは面倒だ』などという意見を耳にします。環境よりコストを優先してしまう風潮などもあり、まセまだ大きな問題を抱えています。環境問題は私たちの住んでいる地球の重要な問題です。リサイクルは地球に住んでいる者の義務といってもいいでしょう。意識を高めるためにも、私たちは環境破壊の現状について深く知る必要があります。世界各国で様々な環境学習が行われていると聞かされましたが、日本でもさらに環境学習を充実させていくことが必要でしょう。日本政府の環境への取り組みや世界各国の環境保護策についても、もっと勉強していきたいです。
 そして何より行動することが大切です。私たちにできることは、ゴミの分別を行うこと、再生品をすすんで買う、車を控えて公共の乗り物を利用したり、近距離なら自転車や歩くなど、小さいことかもしれませんができることはたくさんあります。限りある資源はいつかなくなります。そのために少しでも資源を節約し、未来に残していく必要があると思います。そして、リサイクルの必要性を強く呼びかけ、誰もが簡単にリサイクルできる場所を増やすなどの対策が早急に求められます。リサイクルを促進するためには、リサイクルをする事で経済的に利益を生むようなシステムを構築するのも一つの方法だと思います。また、ゴミを埋め立ててつくるゴミの島を建設するのも面白いと思います。ゴミの島については集めたゴミで埋め立て地を造り、リサイクル・再利用に関する博物館をつくるという案です。ゴミなので低コストではあり、埋め立て工事による経済効果と環境学習の一挙両得をねらったコンセプトです。
 地球規模の環境問題に取り組むためには、世界各国の協力が必要です。特に21世紀を担う私たち若い世代が真剣に取り組むべき課題も多いと思います。今日の国際環境ネットワーク会議のように、世界の高校生が一同に集まって、環境問題について討議する高校生版国際環境サミットのようなものを構想していきたいと思います。

1)玉野高校国際科ではどんな環境学習を行っているか
1年次『国際社会と人間』
 環境問題をテーマにディベート学習を行う
  論題・日本の生活から割り箸を廃止すべきである
  論題・地球環境を守るために今の生活水準を下げるべきである
 以上2つについて、肯定・否定のそれぞれの立場から立論・尋問・最終弁論を行い、クラス代表による決勝大会を行った。ディベートの訓練であると同時に、それぞれの立場で環境問題を真剣にとらえ理解を深めた。

2年次『国際社会・』
 年度の初めの「人間存在を考える」単元の最初に環境問題を考える学習を行った。まず
  ・「人間に害を及ぼすものは使わなければならない」という考え方は是か非か
  ・“リサイクル”そのものに問題はないか
  ・現在行われているものの他にリサイクルできるものはないか
 以上の3つのいずれかについて班ごとに話し合いを行い、班としての意見をまとめ発表しあった。その中でリサイクルの現状やその問題点について多くのことを学び、その理解を深めた。
 つづいて、環境保護活動について各方面で云われている批判を取り上げ、その再批判を試みた。その中で、現在の日本ではリサイクルを中心とした環境保護活動が十分根付いておらず、私たちの更なる環境保護への努力が求められることを学習した。

2)環境学習を通しての疑問や悩み、課題
・リサイクルの意識が希薄
 (私一人が、僕一人がやったって・・・・・という意識を変えることが課題)
・ゴミ問題の危機感が薄い
・政府の環境問題への取り組みがよく分からない
 (どんな計画を立て、どのような反省や課題を残し、次につなげているか)
・世界各国の環境に対する取り組み方をもっと深く知りたい
・現状ではリサイクルや再使用など、環境を守る行動はコスト面で不利となることが多い

3)提案や相談したいこと
・環境ボランティアチームを作りたい
・リサイクルの呼びかけをもっとやる
・リサイクルの場を増やす
・リサイクルをする事によって得をするシステムの構築
・ゴミの島を造ってはどうか
 (全国から集めたゴミで埋め立て地を造り、リサイクル・再利用博物館をつくる)
・世界の高校生が集まって環境問題を討議する高校生版環境サミットや高校生版国連などを開催したい

(2)玉野市立玉野商業高等学校 発表者:大西 亮
環境を科学する 亜硫酸ガスがもたらす影響
玉野市立玉野商業高等学校 3年選択科目 「環境科学」講座

目 的:大気汚染の原因の1つとされている亜硫酸ガス。その影響や除去方法を探る。

調査・実験内容:
 ・.亜硫酸ガスとは
   1.発生源
     ・硫黄分の多い石油の燃焼時に発生。→大気汚染の原因。
     ・石炭の燃焼時にはあまり発生しない。→汚染は少ない。
2.酸性雨との関係
空気中に漂う毒性オキシダントと亜硫酸ガスが反応すると「硫酸ミスト」が生じる。それが雨雲と一緒になると酸性雨が発生する。

・.実験
1.亜硫酸ガスの発生(銅片と硫酸を反応させる。)
〔測定結果〕・pH試験紙・・・pH1
・ガステック(試験管内)・・・40ppm以上(測定不能)
2.植物実験(亜硫酸ガスを充満させたビニール袋内に植物の葉を入れる。)
〔結 果〕・花びら(白色)・・・変化なし
  ・ 〃 (赤色)・・・白色化(脱色された)
  ・笹 ・・・変化なし
3.亜硫酸ガスの除去(アルカリ溶液の効果を調べる)
〔結 果〕・石灰水・・・・・・・・40ppm以上→18ppm
・水酸化ナトリウム・・・   〃   →10ppm
・炭酸ナトリウム・・・・   〃   → 1ppm

考 察:
花びらが完全に脱色されたことから、酸性雨の脱色効果には、亜硫酸ガスが深く関連している。

今後に向けて:
亜硫酸ガスとアルカリ水溶液の化学反応を調べ、生成物による害などを考慮し簡単な除去装置を作成したい。

2001年 個人テーマ:
 ○「亜硫酸ガスがもたらす影響」 亜硫酸ガスの影響と除去方法
○「ヒートアイランド現象について」 現象の再現と対策方法
○「大気汚染とその影響 酸性雨」 酸やアルカリの植物への影響
○「大気中の浮遊粒子状物質の調査」 測定調査と原因の究明
○「ゴミゼロ社会を目指して」 リサイクル方法の実践
○「地球温暖化」 温室効果ガスの性質
○「直島近海の海洋汚染」 現在の汚染調査と産廃処理場稼働後の考察
○「河川の汚染調査」 ため池とその上流河川、下流河川の汚染調査
○「深層海流について」 経路のモデル化と地球環境への影響
○「酸性雨調査」 降雨前の天候と酸性度の関係
○「土壌の緩衝作用について」 土壌の成分と緩衝作用の関係

2002年 個人テーマ:
○「風力発電に挑戦」 風力発電機の作成 省エネルギー化
○「無公害エンジンについて」 低温度差作動エンジンの作成 
○              燃料電池の原理の研究とモデル化
○「酸性雨の調査」 酸性雨の再現と継続調査
○「ハウスダストについて」 ハウスダストの調査 空気清浄器の作成
○「水と生物」 水中の成分変化が生物へ与える影響
○「海洋汚染」 赤潮の研究 赤潮の人工発生に挑戦
○ 微生物から見た海洋汚染
○「飲み水を調べる」 きれいな水とおいしい水 浄水器の作成
○「水の汚れについて」 水の汚染原因 浄水器の作成
○「環境としての水」 生活排水の浄化
○「大気調査」 ガステックを用いた継続調査 環境問題を考察
○「紫外線を探る」 植物を使用した紫外線調査
○「遺伝子組み換え技術から見るDNA」 DNAの働き DNAの抽出
○「地球環境の変遷について」 モデル作成 気候、環境の変遷
○「セッケンと合成洗剤」 セッケンと合成洗剤の違い 影響を植物実験
○「土壌汚染」 化学物質による汚染を調査
○「土壌の緩衝作用について」 土壌の成分と緩衝作用の関係
○「ヒートアイランド現象」 コンクリート等の蓄熱作用と輻射熱
○「温暖化と極地方の氷」 水位変化の予想 世界地図の作製
○「ゴミ減量作戦」 不必要なゴミ調査と再利用方法

グループ討議

ここまでの発表内容も踏まえて、「持続可能な未来を可能にする環境学習とはどういうものか、私たちは何をなすべきか」を具体的に討議しました。

第1グループ コーディネーター:青山 勳氏、通訳:徳丸祐三子氏
       海外ゲスト:フランス ミーメン・レゲッセ氏
 「持続可能」とは、未来までつながる生活ができることである。そのために、私たちは持続可能を妨げる問題の原因をさぐっていく必要がある。話し合いは有効な手段である。情報を集め、市民の意識を高める。今回のような様々な世代が一堂に会する会議、専門家から学生、一般市民までが一堂に会して話し合う会cは重要で、お互いに今まで知らなかったことを知ることができる。個人のモチベーション(自発性)を育成すべきである。また、今の若い世代を大人たちはわかっていない。事実を知らないために、十分な情報がないがために、世代を越えた協力の糸が切れている。現在の大人は、もっと若い世代の人たちとの協力を図るべきだ。これからはパートナーシップが重要な鍵となる。私たちはもっと国外の問題にも関心を持ち、グルーバルな視野に立った行動をとるべきだ。

第2グループ コーディネーター:橋本徹泱氏、通訳:飛松美紀氏
       海外ゲスト:韓国 ジュオン・スーヤン氏
 「持続可能」とは、上向きに、継続的に、長期的に続けられることである。そのために、私たちは持続可能を妨げる問題の原因をさぐっていく必要がある。私たちは、地球上での物質循環を断ち切る大量廃棄型のライフスタイルを転換しなければならない。資源量の限られているものは、次世代も利用できるように使用量を抑える。また、モノを簡単に捨てず、できるだけ利用し続けることを考える。リサイクルはその過程で多量のエネルギーを要することから、リサイクルは循環型社会を成り立たせる上での最終手段と心得、リサイクルよりもリデュース、リユースに努めるべきである。

第3グループ コーディネーター:佐橋 謙氏、通訳:廣田陽子氏
       海外ゲスト:韓国 チョイ・ドンヒュン氏
 「持続可能な開発」というが、「開発」はいいことか悪いことかで見解が分かれる。そこで、「開発」という言葉をやめて「未来」という言葉におきかえたい。それは「世界中の人が幸せになれる未来をつくる」と言い換えられるかもしれない。持続可能な社会とは「民主主義」、「平和」、「適度な経済発展」、「環境保全」が調和する社会である。先進国と途上国では「必要な物」と「欲しい物」の内容に違いがあり、同一には考えられない部分もあるが、社会全体が「一人ひとりの存在を認め、共生できる社会をつくる」ことが大切だ。

第4グループ コーディネーター:近藤隆志氏、通訳:谷口典子氏
       海外ゲスト:タイ ジャワニット・キッティントンクール氏
 環境問題は人間の問題であり、一人ひとりの内面的な問題である。内面は他の人にも影響を与える。「考える」ことよりも、「学んでいく方法」が重要である。コミュニティ(地域社会)の中に入り、一人ひとりと関わりを持ち、様々な体験を通してその中から学んでいくことが望ましい。つまり、一人ひとりがコミュニティの一員としての自覚を持ち、地域と共に生きる社会を構築すべきである。また、環境を自主的に守っていく心と技が身につくように、体験の場を与えるべきだ。そして、それを次から次の世代へと継続して子どもたちに与え続けられる仕組みをコミュニティとして整えるべきである。

討議結果及び会議の総括 岡山大学教授 青山 勳、議長 池田満之

 私たちは、持続可能を妨げる問題の所在、背景をさぐっていく必要がある。豊かな国の中で私たちは生きている。今の便利で贅沢な暮らしに慣れてしまっている私たちは、いきなり環境に良い100点満点の生活にライフスタイルを変えることは容易ではない。しかし、今日の環境問題は私たち人間の生き方が問われる根元的な問題であると誰もが認識し、一歩一歩、自らのモチベーションを高めながら、環境を優先するライフスタイルへ、そしてコミュニティへと進歩していくべきである。
今回のこの会議が、そうした個人のモチベーションを高める場となり、ここに集った人たちが、自らの所属するコミュニティに刺激を与え、環境を優先するコミュニティが広がりを増すであろうことを私たちは心より望んでいる。未来は私たち自身の手の中にある。私たち自身が行う自主的な行動が、まわりを変え、そしてコミュニティを変え、やがて世界を環境優先の社会へと変えていくだろう。
そのために、私たちはこれからも今日のような会合を継続して行っていきたい。こうした会合がもっと多くのところで行われるように広めていきたい。さらに、こうした取組を行う人たちと、また、こうした取組をサポートする人たちと、グルーバルなパートナーシップを構築していきたい。ネットワークを育成していきたい。そして、共に学び合い、助け合える平和な共存社会を実現させたい。そのことが持続可能な未来をつくる基盤ではないかと私たちは考える。

閉会挨拶 国際貢献トピア岡山構想を推進する会会長 沖垣 達

岡山・玉野宣言 議長 池田満之

  岡山及び玉野で開催した国際環境会議を総括し、私たちは以下の3点をここに宣言する。

(1)今後とも地球市民としてのネットワークを広げ、環境認識を普及しグローバルなパートナーシップを構築し、維持していく。
(2)地域社会を環境優先の社会へと変えていくための実行計画を策定し、率先して実行する。
(3)共に学び合い助け合える平和な共生社会を実現することが、持続可能な未来をつくる基盤である。

 この宣言に基づき、私たちは以下の4点の行動を実行します。

(1)これまで培ってきた国際環境ネットワークの取組を強化します。
(2)国際環境ネットワークを拡大するためにドキュメンテーションセンターを設立します。
(3)持続可能な未来のための教育ワークショップを主催します。
(4)環境教育情報資料を発行します。

2002年9月29日
第9回おかやま国際貢献NGOサミット
国際環境関係会議実行委員会一同